木原 康貴

土木建築の施工管理

土木建築事業部/福島原子力事業所 設備保全部土木グループ 2020年| 地域環境科学部 生産環境工学科

プロフィール

再生可能エネルギーや福島第一原発の安定廃炉に向け一役を担う現場管理担当として、測量から安全管理までを担う。海上での業務や、作業員、そして各分野の専門技術者との密な連携を通じて、「見える仕事」の責任とやりがいを感じる日々。完成した構造物が地図に表示されたとき、自分の仕事の意味が輪郭をもって立ち上がったという。

入社からのキャリア

  • 2020

    入社1年目〜

    常陸大宮2太陽光発電所 特高変電所及び自営線建設工事 工事担当

  • 2021

    入社2年目〜

    市原八幡埠頭バイオマス発電所 送電線・受水施設建設工事 工事担当

  • 2022

    入社3年目〜

    君津箕輪第二太陽光発電所 特高系統連系機器工事 工事担当
    1F 一時保管エリアCの試験施工に向けた干渉物撤去等業務委託 工事担当

  • 2024

    入社4年目〜

    1F 屋外一時保管エリアCの解消に向けた試験施工 工事担当

  • 2025

    入社5年目〜

    1F 港湾周辺海洋水深変化測量委託(2025年度) 主任技術者
    1F 専用港湾深浅測量業務委託(2025年度) 主任技術者

「土木」から「再生可能エネルギー」へ、視野が広がった

東京パワーテクノロジーを志望した理由を教えてください。

大学では水理学を専攻し、ダムの仕組みなどを学びました。そこから自然と、再生可能エネルギーに関心を持つように。ちょうど社会でも、再エネへのシフトが進んでいたことも後押しになりました。父も土木関係の仕事をしていた影響で、ものづくりへの憧れがありましたし、何かを形に残したいという気持ちがありました。
就職活動では、構造物を「造るだけ」で終わらない会社を軸に応募。東京パワーテクノロジーは、保守・点検にも一貫して関われる点が魅力でした。新卒で技術職に就くことに不安はありましたが、知らないことを知るのは苦にならないタイプ。挑戦できる環境で、幅広く学べることが決め手でした。

「福島第一での仕事」は、自分にとって特別な意味を持つ

現在の仕事内容と、その中で感じる責任について教えてください。

現在は福島第一原子力発電所で、海底の土砂の蓄積状況を測量し、設備の維持管理に関わる仕事をしています。船に乗って測量会社の方とともに海へ出て、深さや堆積の程度を確認。安全性を確保しながら、年に4回の測量を行っています。
震災当時の瓦礫が残る現場に初めて立ったとき、その悲惨さを目の当たりにし、言葉を失いました。私は広島出身なので、福島は遠い存在でしたが、今はここを「綺麗にして返す」ことが使命だと感じています。廃炉という、他国でも前例のないプロジェクトに携わる責任の重さを日々感じながら、作業に臨んでいます。

どんな日でも、現場に出て「自分の目」で確かめる

仕事をする上で、大切にしていることは何ですか?

現場では、毎日、自分の目で状況を確認するようにしています。ちょっとした段差でも事故のリスクがありますし、特に福島第一のような現場では、些細なことがニュースになってしまう可能性もあります。だからこそ、細心の注意が必要です。毎朝の点検時には、昨日と同じ状態であることも確認し、変化に敏感でいることを意識しています。
また、年上の職人さんが多い現場では、信頼関係を築くことがとても重要です。日常会話を大切にし、なんでも話せる空気づくりを意識しています。注意すべき点は遠慮なく伝える一方で、経験豊富な職人さんから教えてもらえることも多く、日々の学びにつながっています。

自分の仕事が、地図を変えた

社会インフラを支えるという点で、やりがいを感じるのはどんなときですか?

最初に携わった変電所の基礎が完成し、数ヶ月後にGoogleマップでその場所が表示されているのを見たとき、公のものを作ったという実感が湧きました。「自分の仕事で、地図が変わる」。その手応えに、大きなやりがいを感じました。友人や家族に場所を示しながら、自分の関わった現場を誇らしく紹介できるのも嬉しい瞬間です。
私の担当は保守・点検業務ですが、これが滞れば発電ができず、社会全体に影響が及びます。特に原発の現場では、国内外から多くの目が向けられており、一つのミスが会社全体や家族にまで迷惑をかけかねません。責任の大きな仕事だからこそ、やり遂げたときの充実感もひとしおです。

1日のスケジュール

  • 9:00

    出社・準備・スケジュール確認

  • 9:30

    測量会社と合流し、船で現場へ移動

  • 10:00

    海上での測量作業(午前)

  • 12:00

    昼休憩(船上で簡易食)

  • 13:00

    午後の測量・データ確認

  • 15:00

    陸上へ戻り、データ整理

  • 16:00

    社内へ戻って報告書作成・確認

  • 18:00

    退社

すべての責任を背負う「現場代理人」へ

今後、目指しているキャリアを教えてください。

現在は、現場管理の立場として品質や安全を見守っていますが、将来的には現場代理人を目指しています。金額の大きな案件を統括する役割で、品質・安全・コストのすべてに責任を持ち、工事全体を完成に導くポジションです。施工の計画や工程管理、関係者との調整など、まさに“司令塔”のような存在です。
現場代理人になるには、実務経験と資格の両方が求められます。私は1級土木施工管理技士を取得し、ようやくそのスタートラインに立ちました。ここから10年かけて、着実に知識と経験を積み、現場全体を任される存在へと成長していきたいです。

私の使命

  • 入社時 2020

    構造物を造る技術者として、エネルギーを支える一員になりたい

  • 取材時 2025

    社会の信頼を背負い、地図に残る構造物を未来へ残す

休日の過ごし方

単身赴任中ということもあり、週末に自宅へ戻って家族と過ごす時間が何よりのリフレッシュです。3匹の猫と戯れるのも、大切な癒し。最近は猫のヒゲを集めるのを控えるようになりましたが(笑)、それでも、そばにいてくれる存在に癒されています。