関根 大将
化学分析
環境化学部/分析総括グループ 2011年|機械科
プロフィール
放射能分析の専門家として、福島第一原子力発電所の多核種除去設備(以下ALPS)にて様々な放射性物質を取り除いて浄化された処理水分析に従事。国の規制基準を守り、社会の安心を支える重要な役割を担う。分析精度の向上と新人教育にも力を入れ、次世代育成に情熱を注いでいる。休日はマラソンや快眠法の研究で心身をリセット。
入社からのキャリア
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2011
入社1年目〜
柏崎・刈羽原子力事業所 機械グループ
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2012
入社1年目〜
柏崎・刈羽原子力事業所 タービングループ
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2013
入社3年目〜
福島原子力事業所 環境化学第三グループ
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2016
入社3年目〜
福島原子力事業所 環境化学第二グループ
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2022
入社11年目〜
東京電力HD 放射線環境部 分析評価グループ出向
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2024
入社13年目〜
福島原子力事業所 環境化学部 分析総括グループ
地元へ貢献するという思いが、原子力の現場へ導いた
東京パワーテクノロジーを志望した理由を教えてください。
高校時代に培ったものづくりや溶接などの知識を活かせる仕事を探していました。地元の浜通りが大好きだったこともあり、「この地で人の役に立ちたい」という気持ちが強かったんです。そんなとき、生活に欠かせない電気を支える東京電力グループの存在を知り、地域に役立てる仕事だと感じて志望しました。入社の年に福島第一原子力発電所の事故が発生し、2年後には機械系の部署ではなく、分析のグループに配属されることになりました。まったくの未経験で最初は戸惑いましたが、学ぶたびに分析の奥深さに惹かれ、気づけばこの仕事が自分の生きがいになっていました。

放射能濃度を“数値”で示す、信頼の守り手
現在はどんな業務を担当されていますか?
福島第一原子力発電所で、ALPS処理水に含まれる放射性物質の分析を担当しています。構内で発生した汚染水を浄化処理し、放射性物質の濃度が国の規制基準を十分に下回っていることを確認したうえで海洋放出する――その処理水が基準を満たしていることを確かめるのが私たちの役割です。分析室に届いたサンプルを前処理し、分析装置にて放射能濃度を測定。分析結果はインターネット等で公表されるため、一つひとつの数値に重大な責任が伴います。例えば、前処理時に何mlの試薬を入れるかといった添加量のわずかな間違いでも結果に大きな差を生む。だからこそ、手順書を見返し、確認を怠らないことを徹底しています。私たちの“見えない努力”が、社会の安心と信頼を支えているのだと思います。

事故現場で感じた、使命と責任の重さ
印象に残っている出来事を教えてください。
5年前、約10mの高さのあるタンク上部にのぼり、初めてタンクからサンプリングを行ったときのことです。見渡す限りに広がる無数のタンク群を目の当たりにして、「これがTVで見たタンクだらけの福島第一原子力発電所だ」と胸が熱くなりました。事故現場の現実を強く感じた瞬間でした。そのとき、「この膨大なタンク群に保管されている水を自分たちが分析し、世界に示していくのだ」と腹の底から使命感が湧いたんです。以来、サンプルの取り違えがないよう整理整頓を徹底し、分析器具ひとつの洗浄においても、妥協しないようにしています。社会に公開されるデータだからこそ、手順通りの正確な仕事が何より重要だと実感しました。

風通しのよさと信頼が、チームの強み
働く人の魅力について教えてください
職場全体の風通しがとても良い会社です。出向から戻って改めて感じたのは「人との距離の近さ」でした。福島第一原子力発電所構内では2箇所の分析施設に協力会社を含め日々70名ほどが放射能分析に携わっていますが、現場では情報共有や雑談も活発です。仕事中でも気軽に意見を交わせる雰囲気があり、若手も遠慮せず発言できます。現場ではDS2マスクを着用しているため声が通りづらく、大きな声で指示を出すなど、当たり前のことを大切にしています。お互いに思ったことを言い合い、支え合える関係性が現場の安全にもつながっていると感じます。明るい声が飛び交う職場で、誰もが前向きに仕事ができる。そんな空気感が一番の魅力です。

1日のスケジュール
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7:40
出社
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8:30
スケジュール確認・メンバーとの打合せ
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10:00
分析作業(前処理・測定器操作)
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12:00
昼食・休憩
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13:00
分析作業(前処理・測定器操作・データ確認)
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15:30
報告書作成・提出
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16:40
退社
専門家として信頼される「分析の総合力」を磨く
今後のキャリアへの思いを聞かせてください
現場には分析に特化したプロフェッショナルが多く在籍しています。その一方で、どんな分析依頼にも対応できる“オールラウンダー”の存在も必要です。私は後輩育成も担当しており、誰もが全工程を理解し、自立して分析を完結できるチームをつくりたいと考えています。新人を見ていると、昔の自分を思い出します。だからこそ、更なるプロフェッショナルを目指し自身の力量向上は欠かせないと思っており、日々教育や訓練を通じて分析精度と責任感を高め、正確なデータで福島の安全を証明できる現場をつくっていきます。
私の使命
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入社時 2011
地元・浜通りで、電気を通じて社会に貢献する。
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取材時 2025
正確な分析結果で安全を証明し、福島の信頼を取り戻す。
休日の過ごし方

趣味はマラソンです。体調管理も仕事の一部だと考えているので、睡眠には特に気を遣っています。自分の体格に合わせて作ったオーダーメイド枕や高級マットレスを愛用し、睡眠の質を高める工夫を日々実践中。快眠の研究はもはやライフワークです。質の良い休息が、翌日の集中力や判断力につながる――そう実感しています。






