田中 啓太

非破壊検査

技術部 技術センター /検査グループ 2019年|理工学研究科 量子線科学専攻

プロフィール

設備の異常をいち早く察知し、発電の安定を陰から支える非破壊検査のプロフェッショナル。「異常なし」と伝えるその一言には、大きな責任と確かな技術が宿る。構造物の医師として、目に見えない場所から社会インフラを守り続けている。

入社からのキャリア

  • 2019

    入社1年目〜

    技術部技術センター検査グループ着任
    各発電所での現場OJT開始

  • 2021

    入社3年目

    現場責任者として定検業務に担務

名前を呼んでくれた、あの日の説明会が忘れられない

東京パワーテクノロジーを志望した理由を教えてください。

大学時代、インターンには4〜5社ほど参加しました。その中で東京パワーテクノロジーは、発電所の実物を見学させてくれたり、説明会ではインターン時のことを覚えて「久しぶり」と声をかけてくれたり、人との距離感がとても心地よく感じました。説明会はどの企業も似たような雰囲気になりがちですが、「名前を呼ばれる」という体験が自分にとってはとても大きな決め手に。
東電グループという安定性にも惹かれましたし、「設備を壊さずに検査する」という特殊な技術にも興味を持ちました。就職活動の中で、自分に合う場所を直感的に感じられたのが、この会社だったと思います。

壊さずに中を見る。構造物の“お医者さん”です

現在の仕事内容と、その中で感じる責任について教えてください。

現在は横浜火力発電所で、機械設備の「非破壊検査」を担当しています。これは名前のとおり、機械や構造物を壊すことなく、中の状態を検査する技術です。超音波やX線、磁力などを使い、内部にある欠陥や傷を見つけ出します。
よく例えるのは「構造物のお医者さん」。部品を切って壊して調べるのではなく、設備をそのままの状態で診断し、必要に応じて組み立て直す。現場では数百点にも及ぶ部品を検査することもあり、確かな目と知識が求められる仕事です。日々の検査結果が、発電所の安定稼働を支えているという実感を持ちながら取り組んでいます。

「この開口部、危ないかも」 協力会社の一言が教えてくれたこと

印象的な出来事や、現場で大切にしていることはありますか?

ある作業中、協力会社の方から「この開口部、危なくないですか?」と声をかけられたことがありました。自分では気づいていなかった危険箇所で、その指摘のおかげで即座にプレートを設置し、安全に作業を終えることができました。
この出来事をきっかけに、現場では「自分の目で確かめ、話を聞く」ことを徹底するようになりました。作業者の体調や不安にも気を配り、現場にいる一人ひとりと丁寧にコミュニケーションを取るようにしています。協力会社との信頼関係が、安全な現場を支える柱だと実感していますので、今後も些細な違和感を拾える感性を持ち続けたいと思っています。

“楽”をするのは、工夫の積み重ね

この仕事の魅力や、社内で挑戦していることを教えてください

私たちの仕事は、現場の検査だけでなく、報告書や証明書の作成も含まれます。以前はこの事務作業に非常に時間がかかっており、効率化できないかと上司に相談をしました。その後、約2年かけて自分たちで改善に取り組み、今では随分と作業がスムーズになりました。
学生時代、教授から「楽をすることは悪いことじゃない」と教わりました。その言葉を支えに、どうすればもっと効率よく、安全にできるかを常に考えています。東京パワーテクノロジーには、こうした提案を受け止めてくれる社風があり、自分のアイデアを形にできる環境が整っています。改善の余地に気づき、自ら動くことが認められる職場です。

1日のスケジュール

  • 8:30

    出社・その日のスケジュール確認

  • 9:00

    協力会社との打合せ・KY(危険予知)活動

  • 9:30

    現場へ移動・検査準備

  • 10:00

    発電部品の非破壊検査(超音波・磁粉など)

  • 12:00

    昼休憩

  • 13:00

    午後の検査作業・検査結果の記録

  • 16:00

    データ整理・報告書作成

  • 18:00

    退社

「異常なし」と言える、その責任と誇り

社会インフラを支える実感を得るのは、どんなときですか?

自分が「異常なし」と判断することで、発電設備が稼働し、電気が供給される。この事実に、大きなやりがいと責任を感じています。逆にいえば、自分の確認がなければ設備は動かないということ。社会を支える大きなインフラの一端を、自分の手が担っているのだと思うと、仕事の面白さと使命感がより強くなります。
今後は、非破壊検査の5種目すべての資格取得を目指すとともに、より高度な技能を身につけ、「この人にしか頼めない」と言われる存在になりたい。唯一無二の技術者を目指して、挑戦を続けています。今はその基盤づくりの真っただ中にいます。

私の使命

  • 入社時 2019

    東電グループの一員として、インフラを守る存在になる

  • 取材時 2025

    設備の異常を“見えない場所”から見抜くプロフェッショナルに

休日の過ごし方

休日は、趣味であるゲームに没頭しています。時には大会に出るために遠征することもあり、その計画を立てるのも楽しみのひとつ。仕事の現場とはまったく違う世界でリフレッシュすることで、また新たな気持ちで仕事に向き合えます。