近藤 桂

環境アセスメント

環境事業部 環境ソリューションセンター/環境アセスメントグループ 2020年|農林海洋科学部 海洋資源科学科

プロフィール

発電所のプロジェクトを環境の視点から支える、環境アセスメントの専門家。海上調査の調整や安全管理を主に担当し、発電所や地域中の「こんなはずじゃなかった」を1つずつなくしている。環境を守り、電源を満たし、人と人の互いを繋ぐ仕事を、広く深く、楽しく織り続ける。

入社からのキャリア

  • 2020

    入社1年目〜入社2年目

    環境事業部環境アセスメントグループへ配属

  • 2022

    入社2年目〜

    組織改編により、環境事業部環境ソリューションセンター
    環境アセスメントグループへ配属 同業務に従事

「環境」を守る道を、迷わず選んだ

東京パワーテクノロジーを志望した理由を教えてください。

子どものころから、環境というものに興味がありました。父が理科の先生だったこともあり、自然や科学はいつも身近な存在でした。大学で環境アセスメントという言葉に出会ったとき、「これだ」と感じた瞬間を今でも覚えています。自然環境と社会のバランスを考えながら未来を支える、その姿に強く心を惹かれました。
就職活動では、専門性の高い仕事に挑戦したいという思いがありつつも、文系出身であることに不安を抱く場面も。それでも合同説明会で環境アセスメントに関わる部署があると知り、ここなら自分のやりたいことを実現できると直感しました。さらに東京電力グループの一員として、安定した環境で社会に貢献できることも、大きな決め手になりました。

図書と現場、どちらにも向き合う、縁の下の力持ち

現在の仕事内容について教えてください。

現在は、発電所の新設・改修に伴う環境アセスメントの図書作成や、稼働中の発電所での海域調査の支援を担当しています。「図書」とは、発電所の建設や運転によってどのような環境影響があるかを評価し、国や自治体、地域住民に向けて報告するための資料です。
法律で定められた要件を満たしながらも、できるだけわかりやすく、専門外の方にも正確に伝わるように表現を工夫します。また、調査会社との打ち合わせや、漁業協同組合、海上保安部などとの調整業務も重要です。実際に船に乗って現地調査に立ち会うこともあれば、社内でデスクワークに集中する日もあります。現場と資料の両方に関われることで、全体の流れをつかみやすく、やりがいを感じています。

「あなたがいて助かった」その言葉が支えになる

印象に残っている仕事やエピソードを教えてください。

工業地帯に隣接する発電所近くで、岩壁沿いの海域を調査するプロジェクトに関わったことがあります。大型船が行き交うエリアでの調査は、天候の影響も大きく、当日の朝に「船を出すかどうか」の判断を迫られます。無理に出せば事故の危険もありますし、簡単に中止すれば関係者との再調整が必要になります。
当日までの調整に時間がかかる分、その判断はとても重いものです。地域の協力を得ている立場として、一つの判断が信頼に直結します。過去には、地域の方との認識にズレが生じそうになったこともありましたが、相手の立場を想像しながら丁寧に説明することで、「あなたがいて助かった」と声をかけてもらえました。その言葉は、今も私の支えになっています。

間に立つ人間だと、日々実感しています

この仕事が社会にどう役立っていると感じていますか?

この仕事のいちばんの特徴は、「電力を進めるべき立場」と「環境を守るべき立場」の間に立っていることだと感じています。どちらか一方に偏るのではなく、互いにとって納得のいく落としどころを探すことが、私たちの役割です。
地域の方から、「最近、海苔がとれない」「魚が減っている」という声を聞くこともあります。それが発電所の影響によるものかは明確ではありませんが、そうした声に真摯に向き合うことも、私たちの大切な仕事です。
「間に立つ人間だ」と意識することで、双方の立場や思いを理解し、対話を積み重ねる姿勢が生まれます。守るべき環境と、進めるべき電力をどう繋ぐか――。そのバランスを考え続けることに、責任と誇りを持っています。

1日のスケジュール

  • 8:30

    出社・スケジュール確認・メールチェック

  • 9:00

    調査会社との打ち合わせ、社内確認事項の整理

  • 11:00

    アセス図書作成の進行確認、作業の調整

  • 12:00

    昼休み

  • 13:00

    Web会議

  • 15:30

    調査準備やデータ整理、業者への連絡

  • 17:00

    社内勉強会

  • 18:00

    退社

「近藤さんに聞けば安心」と思ってもらえるように

今後挑戦していきたいこと、目指している姿を教えてください。

今後は、地域の方々から寄せられる“困りごと”に、さらに柔軟に対応できるようになりたいと思っています。法律や制度の理解を深めるだけでなく、現場で起きていることを感覚的にも捉え、実情を汲み取る力が必要だと感じています。
現在は、外部の研修やセミナーにも積極的に参加し、知識と経験の両面を磨いているところです。「近藤さんに聞けば安心」と言っていただけるような存在を目指して、これからも成長を続けていきたいです。

私の使命

  • 入社時 2020

    「環境を守る仕事に関わりたい」という純粋な憧れ

  • 取材時 2025

    環境と電力のあいだに立ち、互いをつなぐ

休日の過ごし方

休日は家族、とくに祖父母と一緒に近所を散歩したり、たまに小旅行に出かけたりすることもあります。歩きながら「この風景がどう変わっていくのか」「自然と共存していくにはどうすればいいのか」といった環境のことを考える時間にもなっていて、自分にとっては大切なひとときです。体も心もリフレッシュできることで、また前向きに仕事に向き合えています。