吉田 衣里

設計

原子力事業部 原子力技術開発センター/原子力エンジニアリンググループ 2018年|文学部 文学科 英米文学専修

プロフィール

原子力発電所設備の定期点検に必要な部品の設計検討を担当。メーカー撤退後の代替部品設計という特殊な業務の中で、図面に込める情報と意図を丁寧に紡ぎながら、社会のインフラを支えている。経験を積み、専門性を磨きながら、お客様の信頼に応えられるものづくりを目指す。

入社からのキャリア

  • 2018

    入社1年目〜

    原子力事業部 原子力技術開発センター 原子力エンジニアリンググループ
    柏崎刈羽原子力発電所 特重設備 設計検討業務(担当補助)

  • 2020

    入社2年目〜

    福島第二原子力発電所 設備部品 設計検討業務(担当)

「この図面の意味を、もっと知りたい」

東京パワーテクノロジーを志望した理由を教えてください。

もともとは東京パワーテクノロジーで派遣社員として、図面修正などのサポート業務を担当していました。日々さまざまな図面を目にする中で一つの装置や設備に対して、構造図や組立図、構成する部品図等の関連図面が何十枚も存在していることに気づき、その緻密な世界に強く惹かれるように。「もっと深く学びたい」「自分自身の案件を持ちたい」という気持ちが芽生え、キャリア採用で正社員として入社しました。学生時代には専門的な勉強をしていなかった自分でも、この環境でなら実務を通して成長できると感じたのが、大きな後押しでした。自分の仕事が、電力という社会の基盤を支えているという実感を持てる点も、この仕事の大きな魅力だと思います。

社会インフラの維持に、設計で貢献する

現在はどんな業務を担当されていますか?

現在は、原子力発電所で使用される設備部品の設計検討を担当しています。具体的には、メーカーが製造を終了した部品について、市販品をベースに同等性能の代替品を設計する業務です。目指しているのは、品質を維持しながらもコストを抑えた製品の提供。図面に書かれた情報は、入社当初はまるで暗号のように見えていましたが、写真や実物、そして協力会社の方々からの助言を通じて、少しずつ理解を深めてきました。今では、設計の背景や目的までを考えながら、図面と向き合えるようになってきました。発電所の安全性や稼働率にも関わる業務であることを意識しながら、日々丁寧に仕事に取り組んでいます。

設計は、伝え方で仕上がりが変わる

印象に残っている出来事を教えてください。

設計の仕事で最も大切なのは、図面を通じて「正しく伝える」ことです。ある時、完成品の形状がイメージと異なって納品されてきたことがありました。原因は、図面の表現とベンダー側の解釈のズレ。自分の理想とする完成品を、言葉や図だけで完全に伝えるのは簡単ではないのだと痛感しました。それ以来、まずは完成イメージを共有し、すり合わせた上で設計に入るようにしています。仕様のすり合わせには時間がかかることもありますが、その一手間が、品質を大きく左右するのだと実感しています。今では、相手の視点に立った設計を常に意識しながら業務にあたるようになりました。

数年越しの完成に、報われる瞬間がある

この仕事のやりがいや魅力はどんなところにありますか?

ひとつの部品設計に、数年単位の時間がかかることもあります。決してスピーディな仕事ではありませんが、その分だけ精度と完成度を高められるのが、この仕事の醍醐味です。先輩社員からは「発電所設備の設計は、一人前になるまでに10年はかかる」と言われたことがあります。それでも、丁寧に時間をかけて積み重ねた設計が完成し、問題なく現場に組み込まれたときには、言葉では言い表せない達成感があります。「純正品と遜色ない」とお客様に評価された瞬間は、特に印象に残っています。自分の仕事が信頼に繋がったと実感できることは、何よりのモチベーションです。

1日のスケジュール

  • 8:30

    出社・メールチェック

  • 9:00

    図面の確認・修正作業

  • 10:00

    協力会社と仕様のすり合わせ

  • 12:00

    昼休憩

  • 13:00

    設計業務・資料作成

  • 15:00

    チームミーティング

  • 16:30

    進捗確認・次の日の準備

  • 17:10

    退社

じっくりと、ひとつの専門を極める

今後、どのような技術者を目指したいですか?

目指しているのは、全ての分野を広くこなすタイプの技術者ではなく、特定の分野に強みを持った専門家です。私のグループには、長年にわたって大型案件を担当し続けている経験豊富な社員が多く在籍しており、その姿に強い憧れを抱いています。設計スケジュールを自ら管理し、工程全体を自律的に動かせる存在になることが、今の自分の目標です。まだまだ学ぶことは多いですが、一つひとつの案件に丁寧に向き合いながら、責任ある仕事を任される人材になりたいと考えています。将来的には、後輩たちに自分の経験を還元できるような存在になれたら嬉しいです。

私の使命

  • 入社時 2018

    目に見えない仕組みを理解し、安心を支える仕事に挑みたい

  • 取材時 2025

    図面を通じて、安全な設備を確実に届ける

休日の過ごし方

休日は、黒澤明監督の映画をはじめとした、昔の邦画を観ることが多いです。作品の背景や細かな演出に注目することで、ものづくりにも通じるような発見があります。また、音楽を聴いたり、本を読んだりと、インドアでの趣味が中心。仕事とは異なる時間の流れの中で、リフレッシュするようにしています。